TSURAJIMAのこだわり

approach to 3D

ツラジマの3次元設計への取り組み

catia V5を活用した鋳造用金型セット設計の効率化

■V5での効率化に向けて

ツラジマでは、従来、2次元設計と3次元モデリングの双方の集合設計方式で行っておりました、どちらの分野も熟練者のみがこの分野を担い、 習熟に多大な期間と経験が必要となっていました。

しかし、近年の傾向から3次元モデルの流通と共に高品質化、短納期化の要求を満たす2次元と3次元を統合する設計手法の確立が急務でした。

まず最初に、作成したモデルを前工程と後工程で最大限に有効利用する為かねてから主流であったサーフェスでのモデリング手法を1年程度を要し、 製品モデルから金型モデルまで一貫してソリッドによる手法に転換を図りました。

次に3次元による型設計に焦点を当てました。狙いは、熟練者が有する多品種、多製品のノウハウを標準化し、 デジタルデータベースが埋め込まれたテンプレートを構築、運用することで、「習熟度の浅い作業者でも一般作業のオペレーションが可能になる」ことです。

弊社が有する強みであるモデリングを生かした展開と、更なる効率化、次のステップの為に今回のプロジェクトに踏み切りました。

■効率化の目的と方向

まず、プロジェクトを進めるにあたり、どの部分の効率を上げられるかを考えました。今回の目的は、次の3点です。

  1. 3次元での金型設計を主流業務として確立し、この分野の充実を図り、生産性を向上させる
  2. 若年の設計者を即戦力として設計を行わせるために、ノウハウをシステマチックに組込む
  3. 型割り、各種ピン配置以降のサポート作業(図面化)に関する伝達ミスを排除

まず、大まかに工程を考えると、「中子方案→型割り→金型設計→造形機に合わせた周辺部品設計→加工」となります。

中子方案と型割りの部分に関するノウハウをシステムに組み込むことは容易ではなく、パターンとして確立された方法もありません。

そこで、段階的なステップアップを考え、型割りまでの作業は従来通りとし、今回は金型設計以降の工程に焦点を当てました。

■catiaでの選択肢

このような目的に向かって効率化する為にはどのようにCATIAを活用すれば良いか、という基本から考えました。

catiaは多種多様な機能がある反面、どれを使用するのが最終的に最適なのかという判断が難しいです。

そこで数社のベンダーに提案を求め、取捨選択を試みました。最終的には、次の2案に絞られました。

  1. モールド・ツーリング・デザイン(以下MTD)で周辺部品も含めたシステム構築
  2. 基本機能の応用+ナレッジウェアを用いたテンプレート手法

どちらも実績のある手法ではありますが、MTDはプラスチック射出成形というイメージが強く、MTD側で登録されている 部品カタログがそのまま使用出来ないことや、毎回新規に設計することを前提としたメニュー構成から、より柔軟に拡張ができ、 将来の自動化を考慮し後者のテンプレート手法を選択しました。

■プロジェクトでの取り組み

プロジェクトの内容として、大きく2つの取り組みがあります。

  1. 煩雑化していた設計手順、部品を標準化し、テンプレートに盛り込む
  2. 日々繰り返す細かい手作業をマクロで自動処理し、人の介在を無くす

具体的な進め方としては、設計者とファソテックのエンジニアとの対話から要件の洗い出しを行い、それをモデルとして構築していくというものです。

設計手順や部品の標準化により曖昧にしていた部分の整理が行え、今まで熟練設計者の頭の中だけにあった情報を具現化できました。

また、現場で加工に必要な情報は何なのか?といったことまで深く考えました。

マクロ対応の部分は、効率化を考えたときにどうしても譲れない部分であるのと同時に、人の介在によるヒューマンエラーを無くすことも重要になります。

■成果

今回のテンプレートで金型セットの基本構成を管理することにより、大幅な工数削減が行えました。

例えば、サイズは可変部分のみをパラメータで切り替える。エゼクターピンの配置と共にプレートに対応する穴があく。

など、ヒストリーベースCADの特性をうまく利用した設計を行えるようになりました。

また、現場の成型機の空き状況や客先所有の成型機に合わせた構成部品の組替えが、機械仕様パラメータの切換えのみで対応できるようになりました。

マクロによる自動化の部分は、以下の3つを作りこみました。

  1. 各種ピン長さの自動測定
  2. 加工用図面の自動作成
  3. 任意の座標系でのIGESデータ作成
テンプレート化

これらはあえてテンプレートに組込むことはせず、テンプレートの柔軟性をより確保すると共に、単独でも使用できる汎用的なものとなりました。

マクロ化による効果の例として、現場へのピン加工を前倒しで正確に伝える指示書や、対話操作での作業を大幅に減らせることによりヒューマンエラーを無くすことにつながりました。

これらの結果、実際にテンプレート完成から2ヶ月間の期間で、5製品、15セットの金型を作成することができました。

注目すべき点は、設計効率に伴う工数の削減だけではありません。

  1. 使用する部品の標準化による在庫部品の整理と削減
  2. 各種構成部品のテンプレートに図面を組込んだことによる3次元と相違の無い自動作図
  3. 現場への必要な情報提供の前倒しと図面レス化による作業の前倒し
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■今後の展開に向けて

現在、多くのメーカーでは3次元化が進んでおり、3次元データが当然のように出てくる時代になっています。

しかし、そういった一部のメーカーが目立っているだけで、実際に多くのアセンブリメーカーやサプライヤーではデータ授受のみ、確認のみ、 といった状況も鋳物業界には多くあります。

「3次元は皆で活用してこそ、その価値を強く発揮するものだと認識していますので、まずは今回のようなツラジマ内での有効活用の効果を情報発信し、 関係のあるお客様に効果を認めていただきたいと考えています。

最終的には関係のあるメーカーとサプライヤー全体での効率化、有効活用につなげていくことを目指しています。」

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